接続活用語の連用形に付く。
*前の語とともに尊敬語を作る。
僧の「物申しさぶらはん。おどろかせ給へ」と言ふを、
僧が「ものを申し上げましょう。お起きになってください」と言うので、「ちごの空寝(宇治拾遺物語)」:9
「や、な起こしたてまつりそ。幼き人は寝入り給ひにけり」
「や、お起こしするな。幼い人はぐっすり寝入ってしまわれた」「ちごの空寝(宇治拾遺物語)」:12
五条の三位俊成卿の宿所におはして見給へば、
五条の三位俊成卿の住居においでになってご覧になると、「忠度都落1:落人(平家物語)」:3
「忠度」と名のり給へば、
「忠度」と(自身の)名前をお告げになると、「忠度都落1:落人(平家物語)」:5
門を開かれずとも、此きはまで立ち寄らせ給へ」と宣へば、
門をお開けにならなくても、このあたりまでおいでになってください」とおっしゃると、「忠度都落1:落人(平家物語)」:10
君既に都を出でさせ給ひぬ。
主上は既に都を後になさいました。「忠度都落1:落人(平家物語)」:19
西をさいてぞあゆませ給ふ。
西を指して(馬を)歩ませなさる。「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:12
たからかに口ずさみ給へば、
声高らかに朗誦されるので、「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:16
俊成卿、いとど名残惜しうおぼえて、涙をおさへてぞ入り給ふ。
俊成卿はますます名残惜しく思われて、涙をこらえて邸内にお入りになる。「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:17
刀なくてはいかがと思ひ、針を一つうばに請ひ給へば、
刀がなくてはどうかと思い、針を一本(くださいと)おばあさんにお願いなさったところ、「一寸法師1:旅立ち」:21
足駄の下より、「人な踏ませ給ひそ」と申す。
足駄の下から、「人をお踏みにならないでください」と申し上げる(声がする)。「一寸法師2:上京」:14
さる程に、宰相殿に十三にならせ給ふ姫君おはします。
さて、宰相殿(のところ)に十三歳になられる姫君がいらっしゃる。「一寸法師3:姫君」:3
取らせ給ひ御参り候ふ」と申せば、
取り上げなさって召し上がります」と申し上げると、「一寸法師3:姫君」:13
宰相殿、大きに怒らせ給ひければ、
宰相殿はひどく立腹なさ(って御覧にな)ったところ、「一寸法師3:姫君」:14
一寸法師申しけるは、「わらはが物を取らせ給ひて候ふ程に、
一寸法師が(姫君に)申し上げたことは、「(あなたが)私の物をお取りになりますので、「一寸法師3:姫君」:19
闇へ遠く行く風情にて、都を出でて、足にまかせて歩み給ふ。
(姫君は)暗闇の中へ遠くまで行くような様子で、都を出て、足が向くままにお歩きになる。「一寸法師3:姫君」:24
宰相殿は、あはれ、このことをとどめ給ひかしとおぼしけれども、
宰相殿は、「ああ、(姫君の母君が)このことをお止めになってくれよ」とお思いになったけれども、「一寸法師3:姫君」:27
継母のことなれば、さしてとどめ給はず。
(母君は)継母であるので、それほど(強く)引き止めることはなさらない。「一寸法師3:姫君」:28
女房たちも付き添ひ給はず。
侍女たちも付き添いなさらない。「一寸法師3:姫君」:29
鳥羽の津より舟に乗り給ふ。
鳥羽の船着き場から舟にお乗りになる。「一寸法師4:鬼が島」:4
「まことにいつくしき童
「本当
人
(堀河
幼
(おばあさんは)幼
堀河
堀河
父母
(少将
さる程
そのうちに、少将
心
人柄
宰相殿
宰相
めでたく栄
めでたくお栄
住吉
住吉
接続「思
*前