夕日のさして、山の端いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛びいそぐさへあはれなり。
夕日が照って、山に沈もうとしている頃に、烏が寝どころへ行こうとして、三羽四羽、二羽三羽など、急いで飛んでいくのさえ情趣が感じられる。「春はあけぼの(枕草子)」:9
今更思ひ出でて哀れなりければ、
あらためて思い出して感慨が深かったので、「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:20
事の体、何となう哀れなり。
ことの有様は何となく悲哀感がある。「忠度都落1:落人(平家物語)」:13
大明神あはれとおぼしめして、
住吉の神様はかわいそうだとお思いになって、「一寸法師1:旅立ち」:5