父母ちちははをも呼よび参まいまゐらせ、もてなしかしづずき給たま(も)たまふうこと、世よの常つねにてはなかりけり。
(少将しょうしょうとなった一寸法師いっすんぼうしが)父母ふぼをも呼よび寄よせ申もうし上あげて、もてなし、大切たいせつに世話せわをなさることは、人並ひとなみ以上いじょうであった。「一寸法師いっすんぼうし5:帰京ききょう」:12