闇やみへ遠とおとほく行いく風情ふぜいにて、都みやこを出いでて、足あしにまかせて歩あゆみ給たま(も)たまふう。
(姫君ひめぎみは)暗闇くらやみの中なかへ遠とおくまで行いくような様子ようすで、都みやこを出でて、足あしが向むくままにお歩あるきになる。「一寸法師いっすんぼうし3:姫君ひめぎみ」:24