さざなみや志賀の都はあれにしをむかしながらの山ざくらかな
志賀の旧都は荒れはててしまったが、昔のまま(の美しさ)で咲いている(長等山の)山桜であることよ「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:26
都にて山の端に見し月なれど
都では山の上に見た月だが、「二十日の夜の月(土佐日記)」:24
都の人は言受けのみよくて実なし」と言ひしを、
都の人は、返事ばかりよくて誠実さがない」と言ったところ、「吾妻人と都人(徒然草)」:5
己れは都に久しく住みて馴れて見侍るに、
私は都に長い間住んで、住み慣れて見ていますと、「吾妻人と都人(徒然草)」:7
君既に都を出でさせ給ひぬ。
主上は既に都を後になさいました。「忠度都落1:落人(平家物語)」:19
都へ上らばやと思ひしが、
都へ上ろうと思ったが、「一寸法師1:旅立ち」:24
住吉の浦より御器を舟としてうち乗りて、都へぞ上りける。
住吉の岸辺からお椀を舟としてそれに乗って、都へ上った。「一寸法師1:旅立ち」:28
住みなれし難波の浦を立ち出でて都へ急ぐわが心かな
住み慣れた難波の浦を旅立って、都をめざして急ぐ私の心よ「一寸法師1:旅立ち」:29
そこもとに乗り捨てて、都に上り、ここやかしこと見る程に、
そこに舟を乗り捨てて、都に上り、あちらこちらを見物すると、「一寸法師2:上京」:2
かかる者を都に置きて何かせん。
このような者を都に置いてどうしようか、いや、どうしようもない。「一寸法師3:姫君」:17
闇へ遠く行く風情にて、都を出でて、足にまかせて歩み給ふ。
(姫君は)暗闇の中へ遠くまで行くような様子で、都を出て、足が向くままにお歩きになる。「一寸法師3:姫君」:24
その後、金銀打ち出し、姫君ともに都へ上り、五条あたりへ宿をとり、十日ばかりありけるが、
その後、(打出の小槌で)金銀を打ち出し、姫君とともに都へ上り、五条あたりに宿を取って十日ほど滞在したが、「一寸法師5:帰京」:1