明あけはなれてしばしあるに、女おんなをんなのもとより、詞ことばはなくて、
すっかり夜よるが明あけてからしばらくたった頃ころに、女おんなのところから、(歌うた以外いがいの)言葉ことばはなくて、「狩かりの使つかい2:夢ゆめうつつ(伊勢いせ物語ものがたり)」:4
さて、三条さんじょうさんでうの宰相殿さいしょうどのさいしゃうどのと申もうまうす人ひとのもとに立たち寄よりて、
そして、三条さんじょうの宰相さいしょう殿どのと申もうし上あげる人ひとの所ところに立たち寄よって、「一寸法師いっすんぼうし2:上京じょうきょう」:4
一寸法師いっすんぼうしいっすんぼふし十六じゅうろくじふろくになり、背せいはもとのままなり。
一寸法師いっすんぼうしは十六歳じゅうろくさいになり、(しかし)身長しんちょうは以前いぜんと同おなじである。「一寸法師いっすんぼうし3:姫君ひめぎみ」:2