接続活用語の連用形に付く。
まだ何ごともかたらはぬにかヘりにけり。
まだ何も語り合わないのに(女は)帰ってしまったのだった。「狩の使1:おぼろ月(伊勢物語)」:21
男、いとかなしくて、寝ずなりにけり。
男はとても悲しくて、寝なくなってしまった。「狩の使1:おぼろ月(伊勢物語)」:22
かきくらす心のやみにまどひにき
真っ暗な闇の中にいるように心が乱れて何が何だかわからなくなってしまいました「狩の使2:夢うつつ(伊勢物語)」:8
とよみてやりて、狩に出でぬ。
と詠んで女のもとに送って、狩に出かけた。「狩の使2:夢うつつ(伊勢物語)」:10
とて、明くれば尾張の国へこえにけり。
と詠んで、夜が明けたので尾張の国に向けて国境を越えて行ったのだった。「狩の使2:夢うつつ(伊勢物語)」:26
二十日の夜の月出でにけり。
二十日の夜の月が出てしまった。「二十日の夜の月(土佐日記)」:1
「や、な起こしたてまつりそ。幼き人は寝入り給ひにけり」
「や、お起こしするな。幼い人はぐっすり寝入ってしまわれた」「ちごの空寝(宇治拾遺物語)」:12
初めより否と言ひて止みぬ。
(何か頼まれても)初めからいやだと言って終わってしまう。「吾妻人と都人(徒然草)」:18
君既に都を出でさせ給ひぬ。
主上は既に都を後になさいました。「忠度都落1:落人(平家物語)」:19
一門の運命はや尽き候ひぬ。
(平家)一門の運命は早くも尽きてしまいました。「忠度都落1:落人(平家物語)」:20
世しづまり候ひなば、勅撰の御沙汰候はんずらむ。
世の中が平穏になりましたら、きっと勅撰の御命令があるでしょう。「忠度都落1:落人(平家物語)」:26
「かかる忘れがたみを給はりおき候ひぬる上は、
「このような忘れがたい記念の品をいただきましたからには、「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:2
さざなみや志賀の都はあれにしをむかしながらの山ざくらかな
志賀の旧都は荒れはててしまったが、昔のまま(の美しさ)で咲いている(長等山の)山桜であることよ「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:26
其身朝敵となりにし上は、子細におよばずといひながら、
その身が朝廷の敵となってしまった以上は、(あれこれと)細かく言うことではないとはいうものの、「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:27
四十一と申すにただならずなりぬれば、おほぢ喜び限りなし。
四十一歳と申しますのに(懐妊して)普通でない状態になったので、おじいさんの喜びようはこの上ない。「一寸法師1:旅立ち」:6
さりながら、生れおちてより後、背一寸ありぬれば、
しかしながら、(その子は)生まれた後、身長が一寸しかなかったので、「一寸法師1:旅立ち」:8
はや十二三になるまで育てぬれども背も人ならず。
早くも十二、三歳になるまで育てたけれども、身長も人並みでない。「一寸法師1:旅立ち」:11
取り出したびにける。
取り出してくださった。「一寸法師1:旅立ち」:22
名残惜しく止むれども、立ち出でにけり。
(おじいさんとおばあさんは)別れるのをつらく思って(旅立ちを)引き止めたけれども、家を出てしまった。「一寸法師1:旅立ち」:27
一寸法師は、姫君を先に立ててぞ出でにけり。
一寸法師は、姫君を先に立たせて(後に付いて)出て行ってしまった。「一寸法師3:姫君」:26
折節、風荒くして、興がる島へぞ着けにける。
ちょうどその時、風が荒くて、風変わりな島に(舟を)着けてしまった。「一寸法師4:鬼が島」:5
口
口
極楽浄土
極楽浄土
いかにもうまさ
とても美味
不思議
(このように)思
明
夜
夜
夜
またあふ
(私
さりとて、しいださんを待
けれども、ぼた餅
さりぬべきもの候
もし(勅撰
さりぬべき歌
(勅撰