宰相殿さいしょうどのさいしゃうどのは聞きこしめし、おもしろき声こえこゑと聞きき、
宰相さいしょう殿どのはそれをお聞ききになって、おもしろい声こえだと聞きいて、「一寸法師いっすんぼうし2:上京じょうきょう」:6
人ひとは見みえずして、おもしろき声こえこゑにて呼よばはわる、
人ひと(の姿すがた)は見みえなくて、おもしろい声こえで叫さけんでいる、「一寸法師いっすんぼうし2:上京じょうきょう」:11
「げにもおもしろき者ものなり」とて、御笑おんわらひいなされけり。
「まことにおもしろい奴やつだ」とおっしゃって、お笑わらいになった。「一寸法師いっすんぼうし2:上京じょうきょう」:17