接続四段・ナ変・ラ変型以外の活用語の未然形に付く。
男はた、寝られざりければ、
男もまた寝られなかったので、「狩の使1:おぼろ月(伊勢物語)」:16
彷彿として、長き春の一日には明らめられず、
意味がぼんやりしていて、長い春の一日では解明できず、「翻訳苦心談1:読みはじめ(蘭学事始)」:15
多かる中に寺をも住持せらるるは、
(世の中に)僧侶が大勢いる中でも(この上人が)寺をも管理なさっているのは、「吾妻人と都人(徒然草)」:24
秀歌とおぼしきを百余首書きあつめられたる巻物を、
すぐれた歌と思われるものを百首余り書き集めなさってある巻物を、「忠度都落1:落人(平家物語)」:33
其後世しづまッて、千載集を撰ぜられけるに、
その後、世の中が平穏になって、(俊成卿が)千載集を編集なさった時に、「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:18
「読人知らず」と入れられける。
「読人知らず」としてお入れになった。「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:25
やがてその名を一寸法師とぞ名づけられたり。
(夫婦は)そのままその名を一寸法師と名付けなさった。「一寸法師1:旅立ち」:9
いかにも失ふべし」とて、一寸法師に仰せつけらるる。
どのようにでも追い出しなさい」と言って、一寸法師に命令なさった。「一寸法師3:姫君」:18