名残なごり惜おをしく止とむれども、立たち出いでにけり。
(おじいさんとおばあさんは)別わかれるのをつらく思おもって(旅立たびだちを)引ひき止とめたけれども、家いえを出でてしまった。「一寸法師いっすんぼうし1:旅立たびだち」:27
住すみなれし難波なにわなにはの浦うらを立たち出いでて都みやこへ急いそぐわが心こころかな
住すみ慣なれた難波なにわの浦うらを旅立たびだって、都みやこをめざして急いそぐ私わたしの心こころよ「一寸法師いっすんぼうし1:旅立たびだち」:29
縁えんの端はなへ立たち出いでて、御覧ごらんずれども人ひともなし。
(邸宅ていたくの)縁先えんさきに出でて来きてご覧らんになるがだれもいない。「一寸法師いっすんぼうし2:上京じょうきょう」:7