津つの国くに難波なにわなにはの里さとに、おほぢおじとうばと侍はべり。
摂津せっつの国くにの難波なにわという所ところに、おじいさんとおばあさんが住すんでいました。「一寸法師いっすんぼうし1:旅立たびだち」:2
四十一しじゅういちしじふいちと申もうまうすにただならずなりぬれば、おほぢおじ喜よろこび限かぎりなし。
四十一歳よんじゅういっさいと申もうしますのに(懐妊かいにんして)普通ふつうでない状態じょうたいになったので、おじいさんの喜よろこびようはこの上うえない。「一寸法師いっすんぼうし1:旅立たびだち」:6
おほぢおじは、堀河ほりかわほりかはの中納言ちゅうなごんと申もうまうす人ひとの子こなり。
(一寸法師いっすんぼうしの父親ちちおやである)おじいさんは、堀河ほりかわの中納言ちゅうなごんと申もうし上あげる人ひとの子こである。「一寸法師いっすんぼうし5:帰京ききょう」:6