宰相殿さいしょうどのさいしゃうどのは、あはわれ、このことをとどめ給たまひいかしとおぼしけれども、
宰相さいしょう殿どのは、「ああ、(姫君ひめぎみの母君ははぎみが)このことをお止とめになってくれよ」とお思おもいになったけれども、「一寸法師いっすんぼうし3:姫君ひめぎみ」:27
継母ままははのことなれば、さしてとどめ給たまはわず。
(母君ははぎみは)継母ままははであるので、それほど(強つよく)引ひき止とめることはなさらない。「一寸法師いっすんぼうし3:姫君ひめぎみ」:28