津の国難波の里に、おほぢとうばと侍り。
摂津の国の難波という所に、おじいさんとおばあさんが住んでいました。「一寸法師1:旅立ち」:2
うば四十に及ぶまで子のなきことを悲しみ、
おばあさんが四十歳になるまで子どもがいないことを悲しんで、「一寸法師1:旅立ち」:3
刀なくてはいかがと思ひ、針を一つうばに請ひ給へば、
刀がなくてはどうかと思い、針を一本(くださいと)おばあさんにお願いなさったところ、「一寸法師1:旅立ち」:21
またうばに「御器と箸とたべ」と申しうけ、
またおばあさんに「お椀と箸をください」とお願いして(お椀と箸を)いただき、「一寸法師1:旅立ち」:26
うばは、伏見の少将と申す人の子なり。
(母親である)おばあさんは、伏見の少将と申し上げる人の子である。「一寸法師5:帰京」:8