女おんなをんなもはた、いとあはわじとも思おもへえらず。
女おんな(斎宮さいぐう)の方ほうもそれほど強つよく逢あうまいと思おもっているわけではない。「狩かりの使つかい1:おぼろ月づき(伊勢いせ物語ものがたり)」:10
男おとこをとこはた、寝ねられざりければ、
男おとこもまた寝ねられなかったので、「狩かりの使つかい1:おぼろ月づき(伊勢いせ物語ものがたり)」:16
日ひ入いりはてて、風かぜの音おと、虫むしの音ねなど、はた、言いふうべきにあらず。
日ひがすっかり暮くれてしまって、風かぜの音おと、虫むしの音ねなどが聞きこえるのは、また、言いうまでもない。「春はるはあけぼの(枕草子まくらのそうし)」:11