かやようの者ものをば住吉すみよしより給たまはわりたるぞや、
このような者ものを住吉神社すみよしじんじゃからいただいたのだろうか、「一寸法師いっすんぼうし1:旅立たびだち」:15
親おやにもかやように思おもはわるるも口惜くちおくちをしき次第しだいかな、何方いずかたいづかたへも行いかばやと思おもひい、
親おやにまでこのように思おもわれるのも残念ざんねんな状況じょうきょうだなあ、どこへでも出でて行ゆこうと思おもい、「一寸法師いっすんぼうし1:旅立たびだち」:20
かやように風悪かぜわろく吹ふきて、かの島しまへぞ吹ふき上あげける。
このように風かぜが悪わるく吹ふいて、その島しまへ舟ふねを吹ふき上あげてしまったのだった。「一寸法師いっすんぼうし4:鬼おにが島しま」:7
かやように心こころも賤いやしからざれば、殿上てんじょうてんじゃうへ召めされ、
(このように一寸法師いっすんぼうしは家柄いえがらがよく)品性ひんせいも賤いやしくないので、(天皇てんのうが)殿上てんじょうの間まにお招まねきになり、「一寸法師いっすんぼうし5:帰京ききょう」:10