されど、人目しげければ、えあはず。
しかし、人目が多いので、どうしても逢うことができない。「狩の使1:おぼろ月(伊勢物語)」:11
もはらあひごともえせで、
まったく(女と)逢うこともできず、「狩の使2:夢うつつ(伊勢物語)」:15
男も人しれず血の涙を流せど、えあはず。
男もひそかに辛い涙を流して悲しむが、どうしても逢うことができない。「狩の使2:夢うつつ(伊勢物語)」:17
万え言ひ放たず、心弱く言受けしつ。
万事につけて遠慮なく言い切ることがどうしてもできなくて、気弱に承諾してしまう。「吾妻人と都人(徒然草)」:11