まいて、雁かりなどのつらねたるが、いと小ちいちひさく見みゆるは、いとをおかし。
まして、雁かりなどが列れつをなして飛とんでいるのがとても小ちいさく見みえるのは、たいそう趣おもむきがある。「春はるはあけぼの(枕草子まくらのそうし)」:10
人ひとは見みえずして、おもしろき声こえこゑにて呼よばはわる、
人ひと(の姿すがた)は見みえなくて、おもしろい声こえで叫さけんでいる、「一寸法師いっすんぼうし2:上京じょうきょう」:11
舟ふねより上あがり見みれば、人住ひとすむとも見みえざりけり。
舟ふねから上あがってみると、人ひとが住すんでいるとも見みえなかった。「一寸法師いっすんぼうし4:鬼おにが島しま」:6