闇やみへ遠とおとほく行いく風情ふぜいにて、都みやこを出いでて、足あしにまかせて歩あゆみ給たま(も)たまふう。
(姫君ひめぎみは)暗闇くらやみの中なかへ遠とおくまで行いくような様子ようすで、都みやこを出でて、足あしが向むくままにお歩あるきになる。「一寸法師いっすんぼうし3:姫君ひめぎみ」:24
闇やみもなほお、蛍ほたるの多おおおほく飛とびちがひいたる。
闇夜やみよもやはり、蛍ほたるがたくさん飛とび交かっている(夜よるは)。「春はるはあけぼの(枕草子まくらのそうしまくらのさうし)」:5
かきくらす心こころのやみにまどひいにき
真まっ暗くらな闇やみの中なかにいるように心こころが乱みだれて何なにが何なんだかわからなくなってしまいました「狩かりの使つかい2:夢ゆめうつつ(伊勢いせ物語ものがたり)」:8