かくて、ねむごろにいたつきけり。
このようにして、手厚てあつく面倒めんどうをみたのだった。「狩かりの使つかい1:おぼろ月づき(伊勢いせ物語ものがたり)」:8
一寸法師いっすんぼうしいっすんぼふし、かくて人ひとにも踏ふみ殺ころされんとて、
一寸法師いっすんぼうしは、こうして(いては)人ひとに踏ふみ殺ころされるだろうと思おもって、「一寸法師いっすんぼうし2:上京じょうきょう」:8
かくていづずかたへも行いくべきならねど、
こうしてどちらへも行いくことができるわけでもないけれども、「一寸法師いっすんぼうし4:鬼おにが島しま」:2
かくて、鳥羽とばの津つにも着つきしかば、
こうして、(一寸法師いっすんぼうしは)鳥羽とばの船着ふなつき場ばに着ついたので、「一寸法師いっすんぼうし2:上京じょうきょう」:1
かくて年月としつき送おくる程ほどに、
こうして年月ねんげつを送おくるうちに、「一寸法師いっすんぼうし3:姫君ひめぎみ」:1