*動詞の前に付ける。調子を整える、強調するなどの働きがある。特に訳さないことが多い。
また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くも、をかし。
また、蛍がただ一つ二つなど、かすかに光って飛んで行くのも趣がある。「春はあけぼの(枕草子)」:6
この聖声うち歪み、荒々しくて、
この上人は発音がちょっとなまっていて、荒っぽくて、「吾妻人と都人(徒然草)」:21
馬にうち乗り、甲の緒をしめ、
馬に乗り、胄の紐を引き締め、「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:11
住吉の浦より御器を舟としてうち乗りて、都へぞ上りける。
住吉の岸辺からお椀を舟としてそれに乗って、都へ上った。「一寸法師1:旅立ち」:28
今はとてうッたたれける時、是をとッてもたれたりしが、
「今は(都落ちをしよう)」ということで出発なさった時、これを取ってお持ちになっていたのだが、「忠度都落1:落人(平家物語)」:34
打出の小槌、杖、笞、何に至るまでうち捨てて、
打出の小槌、杖、笞など何から何まで投げ捨てて、「一寸法師4:鬼が島」:19