かきくらす心のやみにまどひにき
真っ暗な闇の中にいるように心が乱れて何が何だかわからなくなってしまいました「狩の使2:夢うつつ(伊勢物語)」:8
野に歩けど、心はそらにて、
野原をあちこち狩をしてまわるが、心はうわのそらで、「狩の使2:夢うつつ(伊勢物語)」:11
人の心劣れりとは思ひ侍らず。
人の心が劣っているとは思いません。「吾妻人と都人(徒然草)」:8
なべて心柔かに情ある故に、
(都の人は)総じて柔和で優しい気持ちがあるために、「吾妻人と都人(徒然草)」:9
げには心の色なく情おくれ、
本当のところは心の優しさがなく、人情が乏しく、「吾妻人と都人(徒然草)」:16
四条五条の有様、心も言葉にも及ばれず。
四条・五条の様子は、想像も及ばず言葉でも表せない(ほどすばらしい)。「一寸法師2:上京」:3
心の中に嬉しく思ふこと限りなし。
心の中で嬉しく思うことはこの上ない。「一寸法師3:姫君」:21
御心の中、推し量らひてこそ候へ。あらいたはしや。
(姫君の)御心のうちを推し量ります。ああ、何と気の毒なことよ。「一寸法師3:姫君」:25
かやうに心も賤しからざれば、殿上へ召され、
(このように一寸法師は家柄がよく)品性も賤しくないので、(天皇が)殿上の間にお招きになり、「一寸法師5:帰京」:10
心かたちよりはじめ、よろづ人にすぐれ給へば、
人柄、容姿をはじめとして、すべて人より優れていらっしゃるので、「一寸法師5:帰京」:14
何れが何れやら心に落付きて弁へぬことゆゑ、
どれがどれなのかしっかりとは判別できていないことであるため、「翻訳苦心談1:読みはじめ(蘭学事始)」:12
人の心も同じことにやあらむ。
人の心も同じことなのだろうか。「二十日の夜の月(土佐日記)」:22
住みなれし難波の浦を立ち出でて都へ急ぐわが心かな
住み慣れた難波の浦を旅立って、都をめざして急ぐ私の心よ「一寸法師1:旅立ち」:29
言の心を、男文字に様を書き出だして、
言葉の意味を、漢字でその様子を書き表して、「二十日の夜の月(土佐日記)」:16
心をや聞き得たりけむ、
意味を聞き知ることができたのだろうか、「二十日の夜の月(土佐日記)」:18