接続四段・ナ変・ラ変型活用語の未然形に付く。
今一声よばれていらへんと、念じて寝たるほどに、
もう一声呼ばれてから返事をしようと、がまんして寝ているうちに、「ちごの空寝(宇治拾遺物語)」:11
賑はひ、豊かなれば、人には頼まるるぞかし」
(ただし、)富み栄えていて財力があるので、人には頼りにされるのだよ」「吾妻人と都人(徒然草)」:19
親にもかやうに思はるるも口惜しき次第かな、何方へも行かばやと思ひ、
親にまでこのように思われるのも残念な状況だなあ、どこへでも出て行こうと思い、「一寸法師1:旅立ち」:20
一寸法師、かくて人にも踏み殺されんとて、
一寸法師は、こうして(いては)人に踏み殺されるだろうと思って、「一寸法師2:上京」:8
一寸法師は、鬼に呑まれては目より出でて跳びありきければ、
一寸法師は、鬼に飲まれるたびに目から出て跳びまわったので、「一寸法師4:鬼が」:16
「吾妻人こそ言ひつることは頼まるれ、
「東国の人こそ、言ったことは信頼できるが、「吾妻人と都人(徒然草)」:4
四条五条の有様、心も言葉にも及ばれず。
四条・五条の様子は、想像も及ばず言葉でも表せない(ほどすばらしい)。「一寸法師2:上京」:3
情もすぐれてふかう、哀れもことに思ひ知られて、
お気持ちもとりわけ深く(感じられ)、しみじみとした感慨も格別なものとして自然と思い知られて、「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:6
とことわられ侍りしこそ、
と説明なさいましたのは、「吾妻人と都人(徒然草)」:20
薩摩守忠度は、いづくよりや帰られたりけん、
薩摩守忠度は、どこから戻ってこられたのだろうか、「忠度都落1:落人(平家物語)」:1
門を開かれずとも、此きはまで立ち寄らせ給へ」と宣へば、
門をお開けにならなくても、このあたりまでおいでになってください」とおっしゃると、「忠度都落1:落人(平家物語)」:10
日比読みおかれたる歌どものなかに、
常日頃詠みおかれていた多くの歌の中で、「忠度都落1:落人(平家物語)」:32
今はとてうッたたれける時、是をとッてもたれたりしが、
「今は(都落ちをしよう)」ということで出発なさった時、これを取ってお持ちになっていたのだが、「忠度都落1:落人(平家物語)」:34
三位うしろを遥かに見おくッてたたれたれば、
三位がその後ろ姿を遠くなるまで見送って立っていらっしゃると、「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:13
勅勘の人なれば、名字をばあらはされず、
(忠度は)天皇の咎めを受けた人であるので、名前を公表なさらずに、「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:23
「故郷花」といふ題にてよまれたりける歌一首ぞ、
「故郷の花」という題でお詠みになった歌一首を、「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:24
そこなる足駄履かんと召されければ、
そこにある足駄をはこうとしてお召しに(なりそうに)なったところ、「一寸法師2:上京」:13
「げにもおもしろき者なり」とて、御笑ひなされけり。
「まことにおもしろい奴だ」とおっしゃって、お笑いになった。「一寸法師2:上京」:17
このこと隠れなければ、内裏に聞こしめされて、
このことが世間に広まったので、天皇がお聞きになって、「一寸法師5:帰京」:2
急ぎ一寸法師をぞ召されけり。
急いで一寸法師を呼び寄せなさった。「一寸法師5:帰京」:3
かやうに心も賤しからざれば、殿上へ召され、
(このように一寸法師は家柄がよく)品性も賤しくないので、(天皇が)殿上の間にお招きになり、「一寸法師5:帰京」:10