接続体言、活用語の連体形に付く。
船に乗るべき所にて、かの国人、馬のはなむけし、
船に乗る予定の場所で、その国の人が、送別の宴会を開き、「二十日の夜の月(土佐日記)」:5
都にて山の端に見し月なれど
都では山の上に見た月だが、「二十日の夜の月(土佐日記)」:24
草の陰にてもうれしと存じ候はば、
(そのことを私が)死後の世界においてでもうれしいと思いますならば、「忠度都落1:落人(平家物語)」:30
ありつる足駄の下にて、「もの申さん」と申せば、
そこにあった足駄の下で、「ごめんください」と申し上げたところ、「一寸法師2:上京」:9
人の讒言により、流され人となり給ふ、田舎にてまうけし子なり。
(堀河の中納言が)人の讒言によって流罪の人となられ、田舎で得た子である。「一寸法師5:帰京」:7
また或る日、鼻のところにて、
またある日、鼻のところで、「翻訳苦心談2:連城の玉(蘭学事始)」:1
かたかたによりて、寝たるよしにて、出で来るを待ちけるに、
隅の方に寄って、寝たふりをして、できるのを待っていたところ、「ちごの空寝(宇治拾遺物語)」:6
すでにしいだしたるさまにて、ひしめきあひたり。
もう作りあげた様子で、(僧たちが)集まって騒ぎあっている。「ちごの空寝(宇治拾遺物語)」:7
「故郷花」といふ題にてよまれたりける歌一首ぞ、
「故郷の花」という題でお詠みになった歌一首を、「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:24
闇へ遠く行く風情にて、都を出でて、足にまかせて歩み給ふ。
(姫君は)暗闇の中へ遠くまで行くような様子で、都を出て、足が向くままにお歩きになる。「一寸法師3:姫君」:24
人は見えずして、おもしろき声にて呼ばはる、
人(の姿)は見えなくて、おもしろい声で叫んでいる、「一寸法師2:上京」:11
すなはち、麦藁にて柄鞘をこしらへ、
そこで、麦藁で刀の柄と鞘を作り、「一寸法師1:旅立ち」:23
われらいかなる罪の報いにて、
自分たちはどのような罪の応報で、「一寸法師1:旅立ち」:14