接続活用語の終止形に付く。ただし、ラ変型活用語には連体形に付く。
自ら本意通らぬ事多かるべし。
自然と願っていたとおりにならないことも多いのだろう。「吾妻人と都人(徒然草)」:14
自然舟なくてはいかがあるべきとて、
もし舟がなかったらどうだろうかと思って、「一寸法師1:旅立ち」:25
「とてもはじめより内象のことは知れがたかるべし。
「とても初めから体の内側の様子のことは知ることはできないだろう。「翻訳苦心談1:読みはじめ(蘭学事始)」:3
これは如何なることにてあるべきと考へ合ひしに、
これはどういうことなのだろうと考え合ったが、「翻訳苦心談2:連城の玉(蘭学事始)」:4
これは如何なる意味なるべしと、また例の如くこじつけ考へ合ふに、
これはどういう意味であろうと、また例のように無理に解釈して考え合ったが、「翻訳苦心談2:連城の玉(蘭学事始)」:12
フルヘッヘンドは堆(ウヅタカシ)といふことなるべし。
フルヘッヘンドは盛り上がっているということであろう。「翻訳苦心談2:連城の玉(蘭学事始)」:18
「甚だ尤もなり。堆と訳さば正当すべし」と決定せり。
「まったくそのとおりだ。盛り上がっていると訳すならぴったりだろう」と解釈が定まった。「翻訳苦心談2:連城の玉(蘭学事始)」:21
図のはじめとはいひ、かたがた先づこれより筆を取り初むべし」と定めたり。
図の初めということもあるし、皆でまずここから執筆を始めよう」と決めた。「翻訳苦心談1:読みはじめ(蘭学事始)」:8
月の影は同じことなるべければ、
月の光は同じことであるはずだから、「二十日の夜の月(土佐日記)」:21
その図と説の符号を合せ考ふることは、取付きやすかるべし。
その図と解説の符号を合わせて検討することは、取りかかりやすいはずだ。「翻訳苦心談1:読みはじめ(蘭学事始)」:7
船に乗るべき所にて、かの国人、馬のはなむけし、
船に乗る予定の場所で、その国の人が、送別の宴会を開き、「二十日の夜の月(土佐日記)」:5
撰集のあるべき由承り候ひしかば、
(勅撰和歌集の)撰集がある予定だということを伺いましたので、「忠度都落1:落人(平家物語)」:21
わが人をやるべきにしあらねば、
自分の方から使いの者を送るわけにはいかないので、「狩の使2:夢うつつ(伊勢物語)」:2
さりぬべきもの候はば、
もし(勅撰和歌集に入れるのに)適当な歌がありますならば、「忠度都落1:落人(平家物語)」:28
さりぬべき歌いくらもありけれども、
(勅撰集に選ばれるのに)ふさわしい歌はいくつもあったが、「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:22
如何やうにして筆を立つべしと談じ合ひしに、
どのようにして訳を書き始めるのがよいかと相談したが、「翻訳苦心談1:読みはじめ(蘭学事始)」:2
御疑ひあるべからず。
(その私の決意を)お疑いになってはいけません。「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:4
いかにも失ふべし」とて、一寸法師に仰せつけらるる。
どのようにでも追い出しなさい」と言って、一寸法師に命令なさった。「一寸法師3:姫君」:18
かくていづかたへも行くべきならねど、
こうしてどちらへも行くことができるわけでもないけれども、「一寸法師4:鬼が島」:2
三位殿
三位