一行も解し得ることならぬことにてありしなり。
一行も解釈することができない状態だったのである。「翻訳苦心談1:読みはじめ(蘭学事始)」:18
男、いとかなしくて、寝ずなりにけり。
男はとても悲しくて、寝なくなってしまった。「狩の使1:おぼろ月(伊勢物語)」:22
昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりて、わろし。
昼になって、だんだんにあたたかくなり寒さがゆるんでいくと、火桶の火も、白く灰が多くなって、よくない。「春はあけぼの(枕草子)」:16
この一言の後、心にくくなりて、
この一言の後は、心がひかれるようになって、「吾妻人と都人(徒然草)」:23
其身朝敵となりにし上は、子細におよばずといひながら、
その身が朝廷の敵となってしまった以上は、(あれこれと)細かく言うことではないとはいうものの、「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:27
四十一と申すにただならずなりぬれば、おほぢ喜び限りなし。
四十一歳と申しますのに(懐妊して)普通でない状態になったので、おじいさんの喜びようはこの上ない。「一寸法師1:旅立ち」:6
はや十二三になるまで育てぬれども背も人ならず。
早くも十二、三歳になるまで育てたけれども、身長も人並みでない。「一寸法師1:旅立ち」:11
一寸法師十六になり、背はもとのままなり。
一寸法師は十六歳になり、(しかし)身長は以前と同じである。「一寸法師3:姫君」:2
さる程に、宰相殿に十三にならせ給ふ姫君おはします。
さて、宰相殿(のところ)に十三歳になられる姫君がいらっしゃる。「一寸法師3:姫君」:3
一寸法師、姫君を見奉りしより思ひとなり、
一寸法師は姫君を拝見した時から恋心を持つようになり、「一寸法師3:姫君」:5
「われわれが背を大きになれ」とぞ、どうど打ち候へば、
「私の背丈よ大きくなれ」と(言って)、どんと打ちますと、「一寸法師4:鬼が」:22
程なく背大きになり、
まもなく背丈が大きくなり、「一寸法師4:鬼が」:23
不思議なるしあはせとなりにけり。
(このように)思いがけないなりゆきとなったのであった。「一寸法師4:鬼が」:26
人の讒言により、流され人となり給ふ、田舎にてまうけし子なり。
(堀河の中納言が)人の讒言によって流罪の人となられ、田舎で得た子である。「一寸法師5:帰京」:7
さる程に、少将殿、中納言になり給ふ。
そのうちに、少将殿は、中納言におなりになる。「一寸法師5:帰京」:13
「木の枝を断りたる跡癒ゆれば堆くなり、
「木の枝を切った跡が回復すると盛り上がり、「翻訳苦心談2:連城の玉(蘭学事始)」:15
また掃除して塵土聚まればこれも堆くなるなり。
また掃除して塵や土が集まるとこれも高く積もるのである。「翻訳苦心談2:連城の玉(蘭学事始)」:16