す
動詞［自サ変］
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夜やうやう明けなむとするほどに、
夜がそろそろ明けようとする頃に、「狩の使２：夢うつつ（伊勢物語）」:18
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といふ声のしければ、
という声がしたので、「ちごの空寝（宇治拾遺物語）」:13
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ひしひしとただくひにくふ音のしければ、
むしゃむしゃとひたすら食べる音がしたので、「ちごの空寝（宇治拾遺物語）」:15
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姫君はただ夢の心地して、あきれはててぞおはしける。
姫君はまさに夢を見ているような気がして、茫然としていらっしゃった。「一寸法師３：姫君」:22
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連城の玉をも得し心地せり。
非常に価値のある宝玉をも手に入れたような気がした。「翻訳苦心談２：連城の玉（蘭学事始）」:23
動詞［他サ変］
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狩の使ありと聞きて、夜ひと夜、酒飲みしければ、
狩の使が滞在していると聞いて、一晩中酒宴を催したので、「狩の使２：夢うつつ（伊勢物語）」:14
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もはらあひごともえせで、
まったく（女と）逢うこともできず、「狩の使２：夢うつつ（伊勢物語）」:15
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明けば尾張の国へたちなむとすれば、
夜が明けたら尾張の国に向けて出発しようとしているので、「狩の使２：夢うつつ（伊勢物語）」:16
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船に乗るべき所にて、かの国人、馬のはなむけし、
船に乗る予定の場所で、その国の人が、送別の宴会を開き、「二十日の夜の月（土佐日記）」:5
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別れ惜しみて、かしこの漢詩作りなどしける。
別れを惜しんで、あちらの漢詩作りなどをした。「二十日の夜の月（土佐日記）」:6
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「いざ、かいもちひせん」と言ひけるを、
「さあ、ぼた餅を作ろう」と言ったのを、「ちごの空寝（宇治拾遺物語）」:3
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偽りせんとは思はねど、
嘘をつこうとは思わなくても、「吾妻人と都人（徒然草）」:12
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いかにもして案をめぐらし、
どのようにでもして思案して、「一寸法師３：姫君」:6
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わが女房にせばやと思ひ、
自分の妻にしようと思い、「一寸法師３：姫君」:7
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かかる者を都に置きて何かせん。
このような者を都に置いてどうしようか、いや、どうしようもない。「一寸法師３：姫君」:17
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とやせんかくやせんと
ああしようかこうしようかと「一寸法師４：鬼が島」:8
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如何やうにして筆を立つべしと談じ合ひしに、
どのようにして訳を書き始めるのがよいかと相談したが、「翻訳苦心談１：読みはじめ（蘭学事始）」:2
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如何ともせんやうなし。
どうにもしようがない。「翻訳苦心談２：連城の玉（蘭学事始）」:5
助動詞［サ下二］
接続四段・ナ変・ラ変型活用語の未然形に付く。
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西をさいてぞあゆませ給ふ。
西を指して（馬を）歩ませなさる。「忠度都落２：故郷の花（平家物語）」:12
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僧の「物申しさぶらはん。おどろかせ給へ」と言ふを、
僧が「ものを申し上げましょう。お起きになってください」と言うので、「ちごの空寝（宇治拾遺物語）」:9
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門を開かれずとも、此きはまで立ち寄らせ給へ」と宣へば、
門をお開けにならなくても、このあたりまでおいでになってください」とおっしゃると、「忠度都落１：落人（平家物語）」:10
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足駄の下より、「人な踏ませ給ひそ」と申す。
足駄の下から、「人をお踏みにならないでください」と申し上げる（声がする）。「一寸法師２：上京」:14
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さる程に、宰相殿に十三にならせ給ふ姫君おはします。
さて、宰相殿（のところ）に十三歳になられる姫君がいらっしゃる。「一寸法師３：姫君」:3
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取らせ給ひ御参り候ふ」と申せば、
取り上げなさって召し上がります」と申し上げると、「一寸法師３：姫君」:13
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宰相殿、大きに怒らせ給ひければ、
宰相殿はひどく立腹なさ（って御覧にな）ったところ、「一寸法師３：姫君」:14
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一寸法師申しけるは、「わらはが物を取らせ給ひて候ふ程に、
一寸法師が（姫君に）申し上げたことは、「（あなたが）私の物をお取りになりますので、「一寸法師３：姫君」:19