接続体言、活用語の連体形などに付く。
子一つより丑三つまであるに、
子一つから丑三つまで時がたったが、「狩の使1:おぼろ月(伊勢物語)」:20
「わが国にかかる歌をなむ、神代より神も詠ん給び、
「私の国ではこのような歌を、神々の時代から神もお詠みになり、「二十日の夜の月(土佐日記)」:10
初めより否と言ひて止みぬ。
(何か頼まれても)初めからいやだと言って終わってしまう。「吾妻人と都人(徒然草)」:18
さりながら、生れおちてより後、背一寸ありぬれば、
しかしながら、(その子は)生まれた後、身長が一寸しかなかったので、「一寸法師1:旅立ち」:8
一寸法師、姫君を見奉りしより思ひとなり、
一寸法師は姫君を拝見した時から恋心を持つようになり、「一寸法師3:姫君」:5
幼き時より、父母におくれ給ひ、
(おばあさんは)幼い時から、父母に先立たれなさって、「一寸法師5:帰京」:9
「とてもはじめより内象のことは知れがたかるべし。
「とても初めから体の内側の様子のことは知ることはできないだろう。「翻訳苦心談1:読みはじめ(蘭学事始)」:3
山の端もなくて、海の中よりぞ出で来る。
山の稜線もなくて、海の中から出て来る。「二十日の夜の月(土佐日記)」:2
明けはなれてしばしあるに、女のもとより、詞はなくて、
すっかり夜が明けてからしばらくたった頃に、女のところから、(歌以外の)言葉はなくて、「狩の使2:夢うつつ(伊勢物語)」:4
女がたより出だす盃の皿に、歌を書きて出だしたり。
女の所から出す盃の台皿に、(女が)歌を書いて差し出した。「狩の使2:夢うつつ(伊勢物語)」:19
その月は海よりぞ出でける。
その月は海から出た。「二十日の夜の月(土佐日記)」:8
波より出でて波にこそ入れ
ここでは波からのぼって波に沈むことだよ「二十日の夜の月(土佐日記)」:25
薩摩守忠度は、いづくよりや帰られたりけん、
薩摩守忠度は、どこから戻ってこられたのだろうか、「忠度都落1:落人(平家物語)」:1
薩摩守馬より下り、みづから高らかに宣ひけるは、
薩摩守は馬から下り、自分で大きな声でおっしゃったことは、「忠度都落1:落人(平家物語)」:7
鎧のひきあはせより取り出でて、俊成卿に奉る。
(その巻物を)鎧の合わせ目から取り出して、俊成卿にさしあげる。「忠度都落1:落人(平家物語)」:35
かやうの者をば住吉より給はりたるぞや、
このような者を住吉神社からいただいたのだろうか、「一寸法師1:旅立ち」:15
住吉の浦より御器を舟としてうち乗りて、都へぞ
住吉の岸辺からお椀を舟としてそれに乗って、都へ上った。「一寸法師1:旅立ち」:28
足駄の下より、「人な踏ませ給ひそ」と申す。
足駄の下から、「人をお踏みにならないでください」と申し上げる(声がする)。「一寸法師2:上京」:14
鳥羽の津より舟に乗り給ふ。
鳥羽の船着き場から舟にお乗りになる。「一寸法師4:鬼が」:4
舟より上がり見れば、人住むとも見えざりけり。
舟から上がってみると、人が住んでいるとも見えなかった。「一寸法師4:鬼が」:6
思ひわづらひけれども、かひもなく、舟より上がり、
思い悩んだが、(悩んでも)むだで、舟から上がり、「一寸法師4:鬼が」:9
口より呑み候へば、目の中より出でにけり。
口から飲みますと、(一寸法師は)目の中から出てきてしまった。「一寸法師4:鬼が」:14
鬼申すやうは、「これは曲者かな。口をふさげば、目より出づる」。
鬼が言うことには、「これは怪しい奴だよ。口をふさぐと、目から出てくる」(と言う)。「一寸法師4:鬼が」:15
一寸法師は、鬼に呑まれては目より出でて跳びありきければ、
一寸法師は、鬼に飲まれるたびに目から出て跳びまわったので、「一寸法師4:鬼が」:16
心かたちよりはじめ、よろづ人にすぐれ給へば、
人柄、容姿をはじめとして、すべて人より優れていらっしゃるので、「一寸法師5:帰京」:14
図のはじめとはいひ、かたがた先づこれより筆を取り初むべし」と定めたり。
図の初めということもあるし、皆でまずここから執筆を始めよう」と決めた。「翻訳苦心談1:読みはじめ(蘭学事始)」:8
漸く長崎より良沢求め帰りし
ようやく長崎から良沢が買い求めて持ち帰った「翻訳苦心談2:連城の玉(蘭学事始)」:7
「つねの使よりは、この人よくいたはれ」と言ひやれりければ、
「いつもの使者よりはこの人によくしてあげなさい」と言ってやってあったので、「狩の使1:おぼろ月(伊勢物語)」:4