接続体言、活用語の連体形などに付く。
女、人をしづめて、
女は人々が寝静まるのを待って、「狩の使1:おぼろ月(伊勢物語)」:14
外の方を見出してふせるに、
外の方を見ながら横になっていると、「狩の使1:おぼろ月(伊勢物語)」:17
月のおぼろなるに、小さき童を先に立てて人立てり。
ぼんやりした月の光の中に、小さい童女を先に立たせて、人が立っている。「狩の使1:おぼろ月(伊勢物語)」:18
わが人をやるべきにしあらねば、
自分の方から使いの者を送るわけにはいかないので、「狩の使2:夢うつつ(伊勢物語)」:2
男も人しれず血の涙を流せど、えあはず。
男もひそかに辛い涙を流して悲しむが、どうしても逢うことができない。「狩の使2:夢うつつ(伊勢物語)」:17
歌の末を書きつぐ。
歌の下の句を書き加える。「狩の使2:夢うつつ(伊勢物語)」:24
かうやうなるを見てや、
このような情景を見てだろうか、「二十日の夜の月(土佐日記)」:3
これを見てぞ、仲麻呂の主、
これを見て、仲麻呂様は、「二十日の夜の月(土佐日記)」:9
「わが国にかかる歌をなむ、神代より神も詠ん給び、
「私の国ではこのような歌を、神々の時代から神もお詠みになり、「二十日の夜の月(土佐日記)」:10
言の心を、男文字に様を書き出だして、
言葉の意味を、漢字でその様子を書き表して、「二十日の夜の月(土佐日記)」:16
心をや聞き得たりけむ、
意味を聞き知ることができたのだろうか、「二十日の夜の月(土佐日記)」:18
さて、今、そのかみを思ひやりて、ある人の詠める歌、
さて、今、当時のことを思って、ある人が詠んだ歌は、「二十日の夜の月(土佐日記)」:23
「いざ、かいもちひせん」と言ひけるを、
「さあ、ぼた餅を作ろう」と言ったのを、「ちごの空寝(宇治拾遺物語)」:3
さりとて、しいださんを待ちて寝ざらんも、わろかりなんと思ひて、
けれども、ぼた餅を作りあげるのを待って寝ないとしたら、それもよくないだろうと思って、「ちごの空寝(宇治拾遺物語)」:5
かたかたによりて、寝たるよしにて、出で来るを待ちけるに、
隅の方に寄って、寝たふりをして、できるのを待っていたところ、「ちごの空寝(宇治拾遺物語)」:6
多かる中に寺をも住持せらるるは、
(世の中に)僧侶が大勢いる中でも(この上人が)寺をも管理なさっているのは、「吾妻人と都人(徒然草)」:24
門戸を閉ぢて開かず。
(屋敷の)出入り口を閉じて開かない。「忠度都落1:落人(平家物語)」:4
門を開かれずとも、此きはまで立ち寄らせ給へ」と宣へば、
門をお開けにならなくても、このあたりまでおいでになってください」とおっしゃると、「忠度都落1:落人(平家物語)」:10
入れ申せ」とて、門をあけて対面あり。
中にお通ししなさい」とおっしゃって、門を開けて対面がある。「忠度都落1:落人(平家物語)」:12
疎略を存ぜずといへども、常に参り寄る事も候はず。
(あなた様のことを)疎かに考えていたわけではないのですが、いつもこちらへ伺うということもございませんでした。「忠度都落1:落人(平家物語)」:18
一首なりとも御恩をかうぶらうど存じて候ひしに、
一首(だけ)であっても(自分の歌を入れていただいて)恩恵にあずかろうと思っておりましたが、「忠度都落1:落人(平家物語)」:23
一首なりとも御恩を蒙ッて、
一首(だけ)であっても恩恵にあずかって、「忠度都落1:落人(平家物語)」:29
秀歌とおぼしきを百余首書きあつめられたる巻物を、
すぐれた歌と思われるものを百首余り書き集めなさってある巻物を、「忠度都落1:落人(平家物語)」:33
今はとてうッたたれける時、是をとッてもたれたりしが、
「今は(都落ちをしよう)」ということで出発なさった時、これを取ってお持ちになっていたのだが、「忠度都落1:落人(平家物語)」:34
三位是をあけて見て、
三位はこれを開けて見て、「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:1
「かかる忘れがたみを給はりおき候ひぬる上は、
「このような忘れがたい記念の品をいただきましたからには、「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:2
ゆめゆめ疎略を存ずまじう候ふ。
決していい加減には考えないつもりです。「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:3
「今は西海の浪の底に沈まば沈め、山野にかばねをさらさばさらせ、
「今は西方の海の波の底に沈むなら沈んでもよい、山野に死体をさらすならさらしてもよい、「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:9
馬にうち乗り、甲の緒をしめ、
馬に乗り、胄の紐を引き締め、「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:11
西をさいてぞあゆませ給ふ。
西を指して(馬を)歩ませなさる。「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:12
三位うしろを遥かに見おくッてたたれたれば、
三位がその後ろ姿を遠くなるまで見送って立っていらっしゃると、「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:13
「前途程遠し、思を雁山の夕の雲に馳す」と、
「これから行く道は遠い。思いを(遥か彼方の)雁山にかかる夕暮れ時の雲に差し向ける」と、「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:15
俊成卿、いとど名残惜しうおぼえて、涙をおさへてぞ入り給ふ。
俊成卿はますます名残惜しく思われて、涙をこらえて邸内にお入りになる。「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:17
其後世しづまッて、千載集を撰ぜられけるに、
その後、世の中が平穏になって、(俊成卿が)千載集を編集なさった時に、「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:18
勅勘の人なれば、名字をばあらはされず、
(忠度は)天皇の咎めを受けた人であるので、名前を公表なさらずに、「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:23
うば四十に及ぶまで子のなきことを悲しみ、
おばあさんが四十歳になるまで子どもがいないことを悲しんで、「一寸法師1:旅立ち」:3
住吉に参り、なき子を祈り申すに、
住吉神社に参詣し、子どもがいないことについてお祈りしたところ、「一寸法師1:旅立ち」:4
やがて十月と申すに、いつくしき男子をまうけけり。
そして十ヶ月と申します時に、美しい男の子を授かった。「一寸法師1:旅立ち」:7
やがてその名を一寸法師とぞ名づけられたり。
(夫婦は)そのままその名を一寸法師と名付けなさった。「一寸法師1:旅立ち」:9
年月を経る程に、
年月を過ごすうちに、「一寸法師1:旅立ち」:10
あの一寸法師めを何方へもやらばやと思ひけると申せば、
あの一寸法師の奴をどこへでもやりたいと思ったと(だれかに)申しましたところ、「一寸法師1:旅立ち」:18
刀なくてはいかがと思ひ、針を一つうばに請ひ給へば、
刀がなくてはどうかと思い、針を一本(くださいと)おばあさんにお願いなさったところ、「一寸法師1:旅立ち」:21
すなはち、麦藁にて柄鞘をこしらへ、
そこで、麦藁で刀の柄と鞘を作り、「一寸法師1:旅立ち」:23
住吉の浦より御器を舟としてうち乗りて、都へぞ上りける。
住吉の岸辺からお椀を舟としてそれに乗って、都へ上った。「一寸法師1:旅立ち」:28
一寸法師、姫君を見奉りしより思ひとなり、
一寸法師は姫君を拝見した時から恋心を持つようになり、「一寸法師3:姫君」:5
いかにもして案をめぐらし、
どのようにでもして思案して、「一寸法師3:姫君」:6
姫君の臥しておはしますに、はかりごとをめぐらし、
姫君が寝ていらっしゃる時に、計略をたてて、「一寸法師3:姫君」:9
「姫君の、わらはがこの程取り集めて置き候ふ打撒を、
「姫君が、私がこの頃取り集めておきました米を、「一寸法師3:姫君」:12
かかる者を都に置きて何かせん。
このような者を都に置いてどうしようか、いや、どうしようもない。「一寸法師3:姫君」:17
一寸法師申しけるは、「わらはが物を取らせ給ひて候ふ程に、
一寸法師が(姫君に)申し上げたことは、「(あなたが)私の物をお取りになりますので、「一寸法師3:姫君」:19
一寸法師は、姫君を先に立ててぞ出でにけり。
一寸法師は、姫君を先に立たせて(後に付いて)出て行ってしまった。「一寸法師3:姫君」:26
宰相殿は、あはれ、このことをとどめ給ひかしとおぼしけれども、
宰相殿は、「ああ、(姫君の母君が)このことをお止めになってくれよ」とお思いになったけれども、「一寸法師3:姫君」:27
一人は打出の小槌を持ち、いま一人が申すやうは、
一人は打出の小槌を持ち、もう一人が申しますことには、「一寸法師4:鬼が島」:12
鬼
鬼
さて、一寸法師
さて、一寸法師
さて、このほど疲
そして、このところ疲
その後
その後
急
急
父母
(少将
さて、この書
さて、この本
その図
その図
簡略
簡略
木
木
また庭
また庭
「木
「木
各々
各人
連城
非常
君
主上
住
住
接続活用語
さざなみや志賀
志賀
都
都
僧
僧
「われわれが背
「私