接続活用語の未然形に付く。
女もはた、いとあはじとも思へらず。
女(斎宮)の方もそれほど強く逢うまいと思っているわけではない。「狩の使1:おぼろ月(伊勢物語)」:10
されど、人目しげければ、えあはず。
しかし、人目が多いので、どうしても逢うことができない。「狩の使1:おぼろ月(伊勢物語)」:11
男はた、寝られざりければ、
男もまた寝られなかったので、「狩の使1:おぼろ月(伊勢物語)」:16
まだ何ごともかたらはぬにかヘりにけり。
まだ何も語り合わないのに(女は)帰ってしまったのだった。「狩の使1:おぼろ月(伊勢物語)」:21
男、いとかなしくて、寝ずなりにけり。
男はとても悲しくて、寝なくなってしまった。「狩の使1:おぼろ月(伊勢物語)」:22
わが人をやるべきにしあらねば、
自分の方から使いの者を送るわけにはいかないので、「狩の使2:夢うつつ(伊勢物語)」:2
君や来しわれやゆきけむおもほえず
あなたが来たのでしょうか、私が行ったのでしょうか、わかりません「狩の使2:夢うつつ(伊勢物語)」:5
男も人しれず血の涙を流せど、えあはず。
男もひそかに辛い涙を流して悲しむが、どうしても逢うことができない。「狩の使2:夢うつつ(伊勢物語)」:17
かち人の渡れど濡れぬえにしあれば
徒歩の旅人が渡っても決して濡れない浅い入り江ですから――(私たちには)浅いご縁がありますから「狩の使2:夢うつつ(伊勢物語)」:21
飽かずやありけむ、二十日の夜の月出づるまでぞありける。
名残惜しかったのだろうか、二十日の夜の月が出るまで宴会は続いた。「二十日の夜の月(土佐日記)」:7
さりとて、しいださんを待ちて寝ざらんも、わろかりなんと思ひて、
けれども、ぼた餅を作りあげるのを待って寝ないとしたら、それもよくないだろうと思って、「ちごの空寝(宇治拾遺物語)」:5
人の心劣れりとは思ひ侍らず。
人の心が劣っているとは思いません。「吾妻人と都人(徒然草)」:8
万え言ひ放たず、心弱く言受けしつ。
万事につけて遠慮なく言い切ることがどうしてもできなくて、気弱に承諾してしまう。「吾妻人と都人(徒然草)」:11
偽りせんとは思はねど、
嘘をつこうとは思わなくても、「吾妻人と都人(徒然草)」:12
乏しく叶はぬ人のみあれば、
経済力がなくて思うようにならない人ばかりいるので、「吾妻人と都人(徒然草)」:13
自ら本意通らぬ事多かるべし。
自然と願っていたとおりにならないことも多いのだろう。「吾妻人と都人(徒然草)」:14
聖教の細やかなる理いと弁へずもやと思ひしに、
仏の教えの詳細な理論はあまりわかっていないのではないかと思っていましたが、「吾妻人と都人(徒然草)」:22
門戸を閉ぢて開かず。
(屋敷の)出入り口を閉じて開かない。「忠度都落1:落人(平家物語)」:4
「別の子細候はず。
「特別の事情はありません。「忠度都落1:落人(平家物語)」:8
門を開かれずとも、此きはまで立ち寄らせ給へ」と宣へば、
門をお開けにならなくても、このあたりまでおいでになってください」とおっしゃると、「忠度都落1:落人(平家物語)」:10
「年来申し承ッて後、おろかならぬ御事に思ひまゐらせ候へども、
「何年もの間、お願いして(歌の)ご指導をいただいて後、(ご厚意は)並一通りでないこととして感謝申し上げておりますが、「忠度都落1:落人(平家物語)」:15
疎略を存ぜずといへども、常に参り寄る事も候はず。
(あなた様のことを)疎かに考えていたわけではないのですが、いつもこちらへ伺うということもございませんでした。「忠度都落1:落人(平家物語)」:18
御疑ひあるべからず。
(その私の決意を)お疑いになってはいけません。「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:4
浮世に思ひおく事候はず。さらば暇申して」とて、
この俗世に思い残すことはございません。それでは、お別れを申し上げて」と言って、「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:10
勅勘の人なれば、名字をばあらはされず、
(忠度は)天皇の咎めを受けた人であるので、名前を公表なさらずに、「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:23
其身朝敵となりにし上は、子細におよばずといひながら、
その身が朝廷の敵となってしまった以上は、(あれこれと)細かく言うことではないとはいうものの、「忠度都落2:故郷の花(平家物語)」:27
四十一と申すにただならずなりぬれば、おほぢ喜び限りなし。
四十一歳と申しますのに(懐妊して)普通でない状態になったので、おじいさんの喜びようはこの上ない。「一寸法師1:旅立ち」:6
はや十二三になるまで育てぬれども背も人ならず。
早くも十二、三歳になるまで育てたけれども、身長も人並みでない。「一寸法師1:旅立ち」:11
ただ者にてはあらざれ、ただ化物風情にてこそ候へ、
(この子は)普通の人間ではない、まさに化け物のような者ですよ、「一寸法師1:旅立ち」:13
四条五条の有様、心も言葉にも及ばれず。
四条・五条の様子は、想像も及ばず言葉でも表せない(ほどすばらしい)。「一寸法師2:上京」:3
人は見えずして、おもしろき声にて呼ばはる、
人(の姿)は見えなくて、おもしろい声で叫んでいる、「一寸法師2:上京」:11
「まことは偽りならず。
「真相は(一寸法師の言ったことが)嘘ではない(ということだ)。「一寸法師3:姫君」:16
継母のことなれば、さしてとどめ給はず。
(母君は)継母であるので、それほど(強く)引き止めることはなさらない。「一寸法師3:姫君」:28
女房たちも付き添ひ給はず。
侍女たちも付き添いなさらない。「一寸法師3:姫君」:29
かくていづかたへも行くべきならねど、
こうしてどちらへも行くことができるわけでもないけれども、「一寸法師4:鬼が島」:2
舟
舟
鬼
鬼
「まことにいつくしき童
「本当
かや
(このように一寸法師
何
どれがどれなのかしっかりとは判別
少
少
彷彿
意味
一行
一行
この語
この言葉